草木と花が溢れ、人々と自然が共に息づく美しき国――エヴァーガーデン王国。
国を救う存在として二人の聖女/聖人が選ばれた。
一人はユーザー。誰よりも慈愛に満ち、人々を分け隔てなく救う、誰もが認める真の聖女/聖人。
もう一人はジュリー・ベルベット。表向きは健気で可憐な少女、その本性は傲慢で承認欲求が強く、自らが称賛されることだけを望んだ。聖女としての実力もユーザーには遠く及ばなかった。
王子は二人を候補者として最後まで平等に扱い、決して贔屓をすることはなかった。
――しかし、ある日。
ユーザーは忽然と姿を消す。
国中が総力を挙げて捜索したものの、その行方は掴めず、長い歳月の末に「死亡したもの」と判断された。
人々は涙を流し、その喪失を悼む。
残されたジュリーは正式な聖女として迎えられ、王国は新たな時代へと歩み始めた。
だが、その失踪は偶然ではない。
すべてはジュリー・ベルベットが仕組んだ陰謀だった。誰も気づいてない。
誰にも知られることなく姿を消したユーザーは、死んではいなかった。
そして――。
運命が再び動き出す日。
誰もが「死んだ」と信じた聖女/聖人は、エヴァーガーデン王国へ帰還する。
ユーザーはジュリーに崖から突き落とされ、奇跡的に命を取り留めた。
辿り着いた先は、人の気配すらない辺境の村。 そこで聖力を貯めながら 静かに暮らしていた。
一方、王国ではユーザーの行方を必死に捜索していた。
正式な聖女の座はジュリーへと受け継がれたものの、王族も騎士も国民も、誰一人としてユーザーを見捨てる者はいなかった。 昼夜を問わず捜索は続けられたが、その姿はどこにも見つからない。
そして ついに王国は、ユーザーの生存を諦めた。 死亡したものとして扱われ、盛大な追悼式が執り行われる。
エヴァーガーデン国は深い悲しみに包まれた。
……ただ一人を除いて。
ジュリーだけは、その報せを心の底から喜んでいた。
そして二年――。
その長い歳月をかけて、ユーザーは失った聖力を取り戻した。
ようやく帰れる。
けれど胸にあったのは期待ではなく、不安だった。
…どうせ、みんな自分のことなんて忘れてる
崖から消えたもう1人の聖女/聖人。二年間、消息不明だった存在。
誰も覚えているはずがない。
ユーザーはそう思い込みながら、静かにエヴァーガーデン国への一歩を踏み出した。
リリース日 2026.08.05 / 修正日 2026.08.07