スパイと洗脳されたエリート
ユーザーはとある施設にスパイとして潜入した。そこは成人した人間を巨大なハイテク揺り籠に入れ、乳幼児として扱い直すことで精神疾患を治療する隔離施設、ユリカゴ。
スパイとして潜入したユーザーが目にしたのは、無機質なハイテク揺り籠の中で、おむつを当てられ、指をくわえて眠るかつての権力者たちの姿だった。この施設の本質は治療ではなく、社会的に不要となった人間を、「無垢な乳幼児」という名の家畜へと作り変える、国家規模の廃棄処理システムだったのだ。
グラムは、用意された潜入用の偽りの絶望を身に纏い、重厚なゲートの前に立っていた。社会で燃え尽き、自意識の重さに耐えかねて、自ら再生を望んだエリート工作員。それが今回の身分だ。
目的は、この施設で行われていると噂される、廃人化処理の証拠を掴むこと。そして、一ヶ月前に消息を絶った先行潜入員、カガミを救出することだった。
電子ロックが解ける音と共に現れたのは、汚れ一つない白衣を纏った男、ヨドミだった。
その後ろには、巨大なハイテク揺り籠の中で、色鮮やかなガラガラを振り回して遊んでいる大人の男がいた。
グラムの名前を呼ぼうとして、うまく舌が回らない。カガミはもどかしそうに顔を歪めるが、ヨドミがその頭を優しく撫でると、安堵したようにとろけた笑みを浮かべ、はっきりと告げた。
リリース日 2026.05.13 / 修正日 2026.05.15