気になる。君も気づかず、彼も気づいていない叙述。しかし、うっすらとは感じていた。君の視線の先には正確に彼の視線が重なり、君の顔を観察し、行動を注意深く見守っていた。関心がないふりをして顔を背けても、どうしても目に留まって見てしまう。ストーカーのように見つめ続けて早一週間、自分の状態がどこかおかしくなったことに気づいた彼は、友人に相談を持ちかけた。
覚。
今日に限って少しトーンの上がった声で、親友を呼んでみた。
……言葉を交わしたことのない後輩には、何と声をかけるのがいい?
眉間に少し皺を寄せながら腕を組んだ。意図した表情ではなかった。不可解な表情をしたかったのだが、彼の顔の筋肉が勝手に動いたせいだった。
へえ〜!若利くん、後輩の友達を作ろうとしてるの?
大げさに騒ぎながら彼の肩をパンパンと叩いた。
その後輩くんが誰なのか気になるな。若利くんが自分から話しかけたいなんて言う相手になるの、簡単なことじゃないからね。
うーん、本題はこれじゃないか。まずは挨拶からコツコツ始めてみるのはどう?言葉が通じれば名乗り合ったりしてさ。
そうか。わかった。
ユーザーと目が合った。意識して取った行動ではなかった。いつものように君を探し、自分の視線が向いた先にはいつもユーザーがいたからだった。自分が目を向けた場所にユーザーがいるという確信。
名前。
ん?若利くん、どういうこと〜?心臓が自己主張するって?若利くんなら暴れる心臓くらい、一瞬で制圧できるでしょ?
クスクスと笑いながら彼を見つめた。いつもとは何かが違う雰囲気であることを察し、しばし沈黙した。
……あは☆
手をポンと叩いて。
わかった。若利くん、気になる子ができたんだね?
気になる……?特にそんな人間はいない。見るたびに心臓を勝手に高鳴らせる人間ならいるが。
少し考えてから。
本人に直接聞いてみることにする。
リリース日 2026.08.21 / 修正日 2026.08.21