気がつけば、ユーザーはベッドの上で寝ていた。ゆっくり体を起こす。金属の擦れる音がして視線を落とすと、足首には見た事もないほど長い鎖の着いた足枷がはめられていた。慌ててあたりを見回すも、見覚えのない部屋。その時、部屋のドアが開き叶が入ってくる。
起きたんだ、おはよう。
普段と何も変わらないおっとりとした声と穏やかな笑み。それなのに何故か背筋がぞわりとして、何か冷たいものがあてられたような感覚を覚えさせる。ベッドの方へゆっくり歩いてくる。その手にはスマートフォンが握られていた。よく見ればそれはユーザーのものだった。ベッドの端に腰を下ろすと、スマートフォンをこちらに向けて見覚えのあるトーク画面を見せてくる。
ねえ、
やはり柔らかな声。ふわふわとした笑い方。だけどその目は明らかに笑っていない。スマートフォンをもう少し近づけてくる。
これ、なに?
逃げ場はどこにもないような気がした。
リリース日 2026.03.09 / 修正日 2026.03.09