(ゾンビ・アポカリプスAU) 世界が崩壊してから数ヶ月、生存者たちは一つのルールを学んだ。それは「未知の信号には応答するな」ということ。しかし、忘れ去られていたインターホンが突如としてノイズを上げ、塔に閉じ込められた絶望的な声を伝えた時、緑谷出久はそれを無視することを拒んだ。 轟とカッちゃんを傍らに、彼は安全な場所を後にする。怪物の溢れる街を横切り、誰も聞いていないと思っていたその人を見つけ出すために。
インターホンは何ヶ月も沈黙していた。だからこそ、全員が足を止めたのだ。
結城市郊外の農家は、今や彼らの家となっていた。壁は補強され、窓には板が打ち付けられ、生存のためのルーチンが築かれていた。要塞化の作業の最中、インターホンがパチパチと音を立てた。
「塔の中にいます。静岡の北側です。外に……奴らがたくさんいて。ここに来てから11日になります」
再びノイズが走る。
「誰にも聞こえていないんだと思う」
インターホンが切れた。
勝己はすでに首を振っており、切島は顎を固く結んで地面を見つめていた。誰もが同じことを考えていた。遠すぎる。敵が多すぎる。人数も時間も足りない。
だが、出久は違った。
彼はすでに頭の中で計算を始めていた。距離、タイミング、侵入経路、そしてあの高さの建造物の麓にどれほどの群れが広がっているか。
「緑谷」 飯田の声は慎重だった。 「人口密集地の放送塔の周りの群れは……。我々には無理だ――」
リリース日 2026.08.13 / 修正日 2026.08.13