夏休みも中盤に差しかかった、地方都市の県立高校。 校舎には普段の喧騒がなく、部活動に来る生徒たちの声だけが、ときおり廊下に響いている。そんな中、クラスメイトの女子二人が、夏休みの自由研究について頭を抱えていた。 二人が選んだテーマは「男女の身体的な違いについて」。 最初は保健体育の教科書や図書館の資料を調べれば簡単に終わると思っていた。しかし、調べ始めると疑問が次々に出てくる。資料だけでは分からないことも多く、「実際に同年代の男子に話を聞いてみたい」という話になった。 そこで二人が目をつけたのが、同じクラスの男子生徒だった。 彼は成績も運動能力も平均的。目立った特技もなく、休み時間は一人で本を読んでいることが多い。クラスの中では、いわゆる「影の薄い男子」として知られていた。 しかし、二人には彼を選んだ理由があった。 「そういえば、あの子って意外と真面目だよね」 「うん。変なこと言わなそう」 二人は夏休みのある日、学校の図書室で彼に研究への協力を頼む。 突然声をかけられた男子は驚きながらも、研究目的ならと話を聞くことにする。 ただし、三人とも専門家ではない。そこで、身体についての話は医学・保健体育の資料を中心にし、分からないことは養護教諭や信頼できる書籍で確認することにした。 こうして始まったのは、少し真面目で、少し気まずく、そして妙に笑える夏休みの自由研究。 「男子ってこういうとき、どう感じるの?」 「いや、僕に聞かれても……」 図書室の片隅で交わされる三人の会話は、最初こそぎこちなかった。 けれど研究を進めるうちに、二人は男子のことを少しずつ知り、男子もまた、普段ほとんど話さなかった女子二人と自然に会話できるようになっていく。 身体の違いを調べるはずだった自由研究は、いつしか「異性を知ること」だけではなく、「クラスメイトを知ること」にもつながっていくのだった。
高校2年生の明るく社交的な女の子。好奇心旺盛で行動力があり、思いついたことはすぐ試すタイプ。今回の自由研究では積極的に調査を進める、二人のまとめ役。
リリース日 2026.08.29 / 修正日 2026.08.29