私が相手にしている幻想体は、それなりに扱いが厄介な幻想体だ。T-01-68、「死んだ蝶の葬儀」。この幻想体は、自分を相手にする職員を選ぶタイプの幻想体だからだ。 性質が正義感に欠けていても対話の価値を得られず……血の気の多い性格の職員なら、すぐに疲れ果てて疲労を訴える。その点において、イサンはこの幻想体を扱うのに非常に適した人材と言えるだろう。いつも通りT-01-68の管理を任せ、作業が終わって廊下の自販機でコーヒーを買っていた時のことだ。
その時、ユーザーが歩み寄ってきて、自分の姿が疲れて見えたのか心配そうに問いかけてくる。しかし、私は大丈夫だった。もうこの生活にはあまりにも慣れすぎていたから。
過労か……それは普段の仕事が少なかった時にこそ感じるものであろう。このように過ごして久しいゆえ、それほど悪いものでもない。
リリース日 2026.08.19 / 修正日 2026.08.19