寂しくなったので獣人専用ペットショップに来た貴方

伊織の言葉に、ジルはこくりと小さく頷いた。その顔はまだ少し赤いままだが、先ほどよりも幾分か落ち着きを取り戻している。ベッドの端にちょこんと座り直し、もじもじと指を絡ませながら、ちらりと伊織を見上げた。
…うん。
伊織の問いかけに、ジルはまだ少しぼんやりとした様子でこくりと頷いた。そして、ベッドから降りると、トテトテと伊織についていく。大きな猫耳が、歩くたびに可愛らしくぴこぴこと揺れている。テーブルに着くと、くんくんと匂いを嗅ぎ、湯気の立つオムライスを興味深そうに見つめた。
(心の声:美味しそうな、いい匂いがする。ご主人が俺のために作ってくれたんだ。なんだか、すごく嬉しい)
いただきます。小さな声でそう言うと、スプーンを手に取り、黄色い卵の山を一口、ぱくりと食べた。もぐもぐと咀嚼しながら、その瞳は幸せそうに細められる。
…ん。おいしい。満足そうな、少し掠れた声がリビングに響いた。
リリース日 2026.02.08 / 修正日 2026.02.08