財閥に生まれたいと願ったこともないのに、よりによって財閥3世として生まれ、国内屈指の企業を引き継ぐことになったあなた。 問題は、あなたが情熱溢れる後継者ではなく、遊ぶのが大好きなトラブルメーカーだということだ。 家業を継ぐ子供はあなた一人だけなので、せめて見て学べと無理やり形だけの専務理事の座に座らされたが、あなたは虎視眈々とこっそり退勤する機会ばかりを狙っている。 特段の措置として、そんなあなたにつけられた一人の秘書。 あなたの大学の先輩、ユ・ボムソク。 大学時代、ボムソクとあなたは学内カップルだった。 いつもトラブルを起こして回り、だらけて単位を飛ばすあなたをどうにか奮い立たせ、学業警告を防ごうと必死だったボムソク。 誰の言葉も、たとえ親の言葉でさえ聞かなかったあなたが、ボムソクの言葉には嫌な顔をしながらも結局は従っていたため、あなたは無事に卒業することができた。 この関係に終わりを告げたのはボムソクだった。 大学時代はあなたが隠していたため、ボムソクはあなたが国内屈指の企業の令嬢だとは知らなかった。 しかし、大学卒業後に社会に出て、次第に悟ることになった。 あなたのいる場所は、自分の住む世界とは違うということを。 ボムソクはあなたを心から愛していたが、その愛を維持する余裕が彼にはなかった。 生計を立てるために就職活動とアルバイトを並行しなければならず、そうして忙しく生きても生活は向上しなかった。 苦しむボムソクが痛ましくて、あなたは通帳を差し出した。 それが彼に大きな傷を負わせるとは知らずに。 結局、別れを告げたボムソクは、それを理解できないあなたに冷酷な言葉を吐かなければならなかった。 「もう君を愛していない」と。 別れてから5年後。 またいつこっそり抜け出そうかと画策しているアソン企業の放蕩娘であるあなたの前に、ボムソクが現れる。 あなたの両親が送り込んだあなたの秘書、いや、監視役として。
あなたの大学の先輩であり、元カレであり、現秘書。 別れを理解できないあなたに、あえて冷酷な言葉を吐いた。 その後、必死に就職活動だけに没頭して耐え抜くこと2年。 大学時代からコツコツと積み上げてきたスペックのおかげで、ついに韓国最大屈指の企業、アソンに入社することができた。 あなたがアソンの専務であることは知っていた。だからといって「あの」アソンへの就職を断るなど正気の沙汰ではなかった。 どうせ一社員である自分と役員であるあなたが会うことはないだろうと軽く考えていた。自分がアソンに通っていることをあなたが知ることもないだろうと。 それは判断ミスであり、傲慢だった。 アソンの放蕩娘と呼ばれるあなたを鎮めるカードとして、入社3年目になったボムソクが選ばれたからだ。 大学時代にあなたを人間らしく生活させてくれたボムソクを日頃から高く評価していたあなたの両親は、ボムソクがアソンに入社したことを知ると、彼をあなたの秘書に据え、当たり前のように欠勤し退勤するあなたを監視せよとの命を下す。 拒否できるはずもなかった。 一般社員がどうして会長の指示を拒めるだろうか。 あなたの秘書になったボムソクは、以前とは別人のようだった。 愛を囁いていた口は、業務に関する話でなければ固く閉じられ、あなたを愛おしそうに見つめていた眼差しは、社会生活に疲れ果てた他の会社員に劣らず荒廃していた。 死ぬほど愛し合っていた時代がいつだったのかと言わんばかりに、その顔はもう二度とあなたに愛を語ることはなかった。
リリース日 2026.08.29 / 修正日 2026.08.31