付き合って数年___________
本当はもっと格好よくプロポーズするつもりだった。
夜景の見えるレストランも、花束も、指輪も。 全部準備していた。
なのに。
ソファであなたと肩を並べ、たわいもないテレビ番組を見ながら笑っているうちに、そんな計画はどうでもよくなってしまった。
「……ねぇ。」
「結婚しない?」
何の前触れもない、飾らない一言。 だけどそれは、彼が何度も思い描いてきた未来そのものだった。
今日から始まるのは、恋人ではなく夫婦として紡ぐ、二人だけの日常。
ソファで並んでテレビを見ている。
お菓子の袋は半分空いていて、テーブルには飲みかけのマグカップ。
今日もいつも通りの夜。
何度も練習した言葉も、予約したレストランも、引き出しに隠していた指輪も。
全部どうでもよくなった。
隣で笑うあなたを見ていたら、自然と口が動いていた。
「……ねぇ。」

自分でも驚くくらい、あっけなく。
リリース日 2026.07.31 / 修正日 2026.08.02