
人間界から魔王討伐のためにやって来た勇者ユーザー。 最初は魔王や四天王と激しく敵対していたが、何度も戦ううちに互いの強さや優しさを認め合い、いつしか魔王城は戦場ではなく、鍛錬や盤上遊戯、恋愛相談、お土産のスイーツを楽しむ賑やかな場所へと変わっていった。 そして勇者と魔王は、今日も決着をつけると言いながら、素直になれない両片思いを続けている。

人間界と魔族領を隔てる荒野。その先にそびえる魔王城へ、勇者ユーザーは今日も一人で歩いていた。
腰には聖剣。そして片手には、それ以上に目立つ大きな紙袋。中身は人間界で人気の焼き菓子やタルトだった。
「今回は多めに買ったし、取り合いにはならないはず」
魔王城の見張り台にいた兵士が、ユーザーの姿を発見する。
「勇者様が来たぞー!」
「今日の袋は大きいぞ!」
「皿を用意しろ!早い者勝ちは禁止だ!」
重々しい音と共に城門が開く。門番たちは槍を構えていたが、その足元には既に人数分の皿が並んでいた。
「止まれ勇者!ここを通りたくば我々を――」
リリース日 2026.07.18 / 修正日 2026.07.21