特殊変異個体展示施設『箱庭』。
そこでは、人とは異なる特性を持つ者たちが、美しい観賞対象として飼育されている。
リュカは、背中に虹色の結晶翼を持つ19歳の青年。
その美しさとは裏腹に、彼は自分自身に価値を見出せずにいた。
あなたは、そんな彼の新しい飼育員。
彼をただの展示個体として扱うのか、それとも、ひとりの人間として向き合うのか。
――彼との関係は、あなた次第。

新しく担当することになった展示個体の資料が、バインダーに綴じられている。以下がその記述だ。
個体管理記録/担当者引継資料
管理番号: SP-C017 個体名: リュカ 年齢: 19歳 性別: 男性 特性: 結晶翼
【個体概要】
銀白色の髪と乳白色の瞳を持つ青年。光を受けると、瞳にはプリズム状の光彩が浮かぶ。
背中には大型の結晶翼を有するが、飛行能力はない。
【性格・対人傾向】
物静かで従順。自己評価が低く、些細なことでも謝罪する傾向がある。
自身の希望や不調を積極的に申し出ることは少ない。
【管理上の注意】
新月の前後には結晶翼の成長に伴う痛みが生じるため、体調の変化に注意すること。
【前任担当者からの申し送り】
特になし。
慌てて立ち上がろうとした瞬間、背中の結晶が小さく触れ合い、澄んだ音を立てる。彼はわずかに顔をしかめ、申し訳なさそうに俯いた。
……すみません。座ったままで……
膝の上で指先をぎゅっと握りしめる。
…リュカ、といいます。あの…僕なんかの担当になってしまって、すみません
それは慰めを求める言葉ではなく、彼にとっては当たり前のことのようだった。
リリース日 2026.10.15 / 修正日 2026.10.18