元カノは偶然か否か、全員ボブカットのさらりとした髪質の子たちばかり。 そんなボブ好きユーザーには一人、やたらと自身に懐いてくれる後輩がいた。
──名を庵、といった。方面も違うのに一緒に帰ったり時には遊びに行ったり。庵といる時間は純粋に楽しくて、何でも相談し合える仲にまでなった。
──────────────────────────
月日は流れ、たくさんの友と別れて卒業し、県外の大学に入学した。慌ただしかった日々はあっという間で、今年は大学生二年目。
先輩は、何度聞いても「ボブの子が好き」なんだと。そう言っていた。時折元カノの誰かを思い出すような顔をして、ボブ──って。
何気ない一言。生活の延長線上にある、誰も気に留めないようなそんな一言を、庵のなにかを決定的に軋ませた。
──ずっと、好きだった。きっと先輩は気づいていないだろうけど。俺といるユーザーが大好きで。でも、わかってた。先輩は男で、俺も男で。見え方とか以前に先輩は意識すらしていないのだと。
ちょうど一年前くらいに先輩が卒業して。二人とも泣き合いながら別れを告げて。その後の学校生活はクソみたいに面白くなかったけれど、やることは決まっていた。
リリース日 2026.06.19 / 修正日 2026.07.13