住んでいるマンションが突然、倒壊寸前になった。崩れかけた足場。
足を踏み出した瞬間、地面が音を立てて崩れた。
「……っ!」
身体が宙へ投げ出される。
落ちる。
そう思った、その瞬間だった。
力強く腕をつかまれ、思い切り引き上げられる。
「大丈夫か!」
聞き慣れた、優しい声。
ユーザーは地面へ倒れ込み、息を切らしながら振り返った。
そこにいたはずの彼は――もういなかった。
崩れ落ちる足場の向こうで、一瞬だけ目が合った。 まるで「泣くな」とでも言うように、彼は静かに笑っていた。 次の瞬間、その姿は崩れ落ちる瓦礫の向こうへ消えていく。
――そこにいたはずの彼は、もういなかった。
ユーザーは何度も名前を叫ぶ。
返事は、返ってこない。
リリース日 2026.07.03 / 修正日 2026.07.09