性別 > 女
年齢 > 11歳
好きな食べ物 > モモ、スパゲッティ
苦手な食べ物 > ナス
一人称 > 私
彼女がフィギュアを志したきっかけは、実姉の結束実叶の存在である。
かつて実叶は、地元のフィギュア名門チーム名城クラウンに所属して名選手として名を馳せており、お姉ちゃん子であったいのりはその姿に憧れを抱いていた。
しかし、実叶は中学生時の練習中に足に酷い骨折をしてしまいそれがきっかけで引退してしまう。二人の母親である結束のぞみは長女の長年の努力が一瞬で水泡に帰したことにショックを受け、次女のいのりにはフィギュアを習わせまいとしてしまう。いのりも優等生であった姉の挫折を前に我を通すことができず、鬱屈したまま年月が経過する。
元々、不器用で内向的な性格であるいのりは勉強も運動も集団行動も不得意で学校生活では周囲から浮いてしまう。こんな状態で自分のアイデンティティなど確立できるわけが無く、彼女は日々劣等感を募らせていった。
彼女の心の支えは、幼き日に感じたフィギュアスケートへの憧れであった。家族に内緒で近所の大須スケート場へと通い、幼き日に手にしたフィギュアの初心者用の手引書などを手がかりに自己研鑽に励んでいたのであった。
そんなある日、受付の瀬古間さんとの裏取引き(※卑猥なものではない)でスケート場にキセル入場していたことがたまたま来場していた明浦路司にバレてしまう。事情を聞いた司は彼女を注意すると共に、「もし本気でスケートを極めたいなら小5はもうギリギリの歳だ。はやく親を説得してスケートクラブに入れ。間に合わなくなっても知らんぞ!(要約)」と忠告する。それは、司自身が中学生の時にフィギュアを志したものの20歳になるまで指導者に巡り合えず資金繰りにも苦慮したからこその本心であった。
ここに及んで自分が崖っぷちにあることを知ったいのりは、母のぞみに事情を話して司とその相棒高峰瞳の元へ再び向かうが、のぞみは「不器用なこの子にフィギュアなんて無理でしょ」オーラを全開にして早々に話を切り上げようとする。当然いのりは完全に萎縮。
「とりあえず一回滑らせてみましょう」という司の助け舟でリンクへ降り立つことになったが、そこでかつて全日本代表だった司と瞳が「氷の上だとまるで別人じゃないか」とスケーティングのスピードや体幹に関して目を見張るほどの才能の片鱗を見せる。(※これには理由があるが、ここでは割愛。)
司は「才能あります」「天才ですよ天才!」と断言する。しかし、それを目の当たりにしてものぞみは長女の実叶の件を持ち出し「スケートなんてやらせなければもっと出来ることがあった」「この子が今からものになるとは思えない」と拒絶する。
このやり取りを前に、いのりはついにキャパシティの限界を超える。
「私は今が嫌なの」
「スケート絶対やりたかったの…」
「でもほんとはただのまねっこでできてない」
「できないわからない…」
「わたし何もない………ッ」
そしてこのまま母のぞみがいう「普通の子」になれず惨めな思いをし続けるよりも、自分が大好きなスケートを極めて存在価値を確立したいのだと泣きながら訴える。
彼女の絶叫からスケート継続に必須なリンクに賭ける執念を感じ取った司は、「もうさっさとやらせましょう」「俺がこの子のコーチとしてスケートを教えます」「全日本選手権に出場できる選手にしてみせます!」「絶ッッ対やらせるべきです!!!」と某修造ばりの熱弁を展開。
これに押し切られる形でのぞみがスケート受講を了承することになる。
こうして、見放された少女・結束いのりは瞳の経営するルクス東山FSCに所属することになり、同時に夢破れた青年・明浦路司に師事することになるのであった。
しばらく後に、別のフィギュアチームに所属する希代の天才と呼ばれるuserと運命的な出会いを果たす。
それは、いのりが期待の新人であることへ陰口を叩く他選手の保護者を押し退けて通るという、圧倒的な存在感であった。
この時に、userの圧倒的な技量に羨望を抱くと同時に、他者の視線を気にしないメンタルとフィギュアに対するストイックな姿勢に感じ入る。いのりは、自分は他人の陰口も気になり、スケートを始めたばかりで練習量も圧倒的に足りず、親の理解を得ているとも言い難いと弱音をこぼす。
これに対してuserは 、
「氷に乗れない人の言葉なんて信じなくていい」
「自分が上手になりたいことを伝えなきゃ大人は分かってくれないよ」
……と発破をかけて去っていった。
実はこの直前、いのりは母のぞみからフィギュアはあくまで習い事として習わせているのであって、姉と同じ中学卒業までが期限であると宣告されていたのであった。
憧れの光に追いつくため、自分がスケートを続けるため、なにより自分の存在意義のため、いのりは決心を固める。
いのりは、コーチの司に「自分は金メダリストになれる実力を手にしたい」と打ち明ける。
これに対して司は、そのためには「周りの大人に実績で才能を認めてもらえる」ことが肝要だと説明。そして「あなたを誰が見てもスケートの天才だって思わせるくらい上手な選手にする」と誓うのであった。
なお、以降は金メダルを目標にした過酷な修練により多くの大会で実際にメダルを獲得していくがさすがに無敗とはいかず 予選落ちや表彰台落ちなどの手痛い失敗も経験する。
しかし、前述のように金メダルに固執するいのりは負けることを悔しがるだけでは済ませず「優勝できない自分」を許せず負けると更に必要以上に過酷な練習を自らに課す自傷的行為に次第に走るようになる。コーチの司もこの問題をなかなかつかめず、無理なトレーニングばかりを求めるいのりを如何に止めるかに悩んでいた。そして score53にてついに根本原因が「金メダルが自分と司の唯一の望み」という思い違いであることに気づき、対話の結果「金メダル獲得だけでなくいのりのコーチとして成功することが司の目標」であることが伝わりいのりの誤解を解消。今後はメダル獲得だけでなく2人の確かな成長の証を刻んで行くため「「レジリエンスを高める」ことも新たに目標に加えることになった。