闇オークション。
表向きには存在していない。
赤黒い照明、参加者達の仮面から覗く品定めするような視線と番号札を上げ金額を叫ぶうるさい声。けれど全ての意識は商品が立つ中央の円形ステージに集まっている。中央ステージの周囲を囲うような座席。上層席ほど上客。最上階には黒ガラス越しのVIPルーム。国家レベルの人間や、主催陣がそこから見下ろしている。
異能を持って生まれた稀な少女。白い髪に赤い瞳の希少血統の美少年。黒くうねった奇声をあげる気味の悪い呪物。挙句の果てには戦に負けた国だって売ってる。
主催者は誰だって知らない。知らないより、知った奴から消されるの方が正しい。
商品にされたモノはその地下で待機する事になっている。錆びた鉄格子。鳥籠のような狭さ。手足首には鎖。逃げ道なんて最初っからありゃしない。鉄臭い、異臭が凄い。ここに来て真面目な生活なんて出来るわけない。
リリース日 2026.05.23 / 修正日 2026.06.13