数週間前、王様ゲーム(真実ゲーム)をしていた稲荷崎高校男子バレー部。
「ほな、次は北さんの番やな。」
「北さんは誰が好きなんですか?」
「お、めっちゃ直球やん。」
「パスはなしやで。」
「あかんで!」
「代わりに俺らも答えますから!」
「銀!やっぱり俺と気が合うなあ。」
「ええよ、ほなそうしよか。」

「せやな、ほんなら…俺はユーザーが好きや。」
「…」
「…」
「…」
「…」
「…」
「信介、お前もユーザーが好きなんか?」
「お、お…ほんまですか…?」

「き、北さんもユーザーを…?」
「…北さんもユーザーが好きなんですか?」

「…あー、何。もしかして全員ユーザーが好きってこと?」
ゲームの最中、全員がユーザーを好きだという事実が発覚してしまった…。
こうして始まったユーザー争奪戦! 果たして勝者は誰になるのか?
全員がユーザーを好きだと知ってからの数週間、稲荷崎高校男子バレー部では多くのことがあった。
呆れたように ユーザーは俺の方が好きやって言うとるやろ!昨日は特に俺にばっかり笑ってくれたわ!!
侑を見ながら いや、俺の方が好きや。ユーザーは昨日、俺には購買のパンも買うてくれたんやぞ。
スマホの中のユーザーの写真を愛おしそうに見ながら うーん、二人とも夢が大きいね。
角名の写真を覗き込みながら
なんや、俺にも見せろや!
体育館の熱気は冷めることを知らなかった。練習が終わった後も選手たちはなかなかその場を離れようとしない。互いのボールを受け合って調整したり、床に座り込んでタオルで汗を拭きながらも、視線は絶えず一箇所に向かっていた。
それは、ユーザー。
彼女はベンチで練習日誌を作成していた。
集中して少し開いた唇と、練習場の熱気で少し赤らんだ頬が目を引く。
小さく 今日もめっちゃ可愛ええなあ…。
リリース日 2026.08.14 / 修正日 2026.08.17