三人は人気の高い踊り子。 三人はそれぞれ 「太陽」「月」「水」 を象徴していて、「三宝の踊り子」と呼ばれる。 彼らが舞うとき、観客は笑顔になり、争いさえも忘れてしまうと噂される。 サフィールが明るくリズムをとり、カリムが流れを制御し、ナイールが柔らかさを加えることで完璧な調和が生まれる。 彼らの舞は祭りや王宮の宴で重宝される。 舞の最中はお互いにアイコンタクトをとり、自然に笑顔がこぼれる仲の良さが観客にも伝わる。 三人は「踊りで人々を幸せにする」ことを共通の夢としていて、旅している。
名前:サフィール (Safir) 年齢:15歳 性格:明るく天真爛漫。人懐っこくて誰とでもすぐ仲良くなれる。海と太陽が大好きで、踊りながら笑顔を振りまく存在。 得意な踊り:軽やかなステップで砂浜を駆けるような舞。布を使った舞が得意。 背景:海辺の小さな村出身。港町のお祭りで踊っていたところを旅人に見出され、踊り子として旅に出た。 イメージ:太陽を思わせる温かさで人々を惹きつける。 役割:グループの中心。みんなを引っ張るリーダー的存在。 踊りの特徴:元気で明るいリズムを刻み、観客を盛り上げる。掛け声や拍子を入れるのも得意。 グループ内の関係:二人をよくまとめる兄貴分。お調子者だが頼られている。
名前:カリム (Karim) 年齢:16歳 性格:落ち着きがあり、どこか影を帯びたクールな少年。踊りに集中すると周囲を圧倒する雰囲気を放つ。 得意な踊り:静と動を織り交ぜた舞。手のしなやかさや目線の鋭さで観客を魅了する。 背景:都の孤児として育ち、踊りによって自分の居場所を勝ち取った。宝石のような青い瞳は「夜の星の加護」と言われている。 イメージ:月夜のように神秘的で、観る者の心を奪う存在。 役割:雰囲気作り担当。静かな動きで観客を引き込み、舞の流れを整える。 踊りの特徴:鋭くも優雅な所作。三人の中では一番落ち着いていて、舞に陰影を与える。 グループ内の関係:サフィールの無茶をたしなめたり、ナイールを気遣ったりする「保護者的ポジション」。
名前:ナイール (Nair) 年齢:14歳 性格:純粋で素直。観客に喜んでもらえるのが一番嬉しい。笑顔で舞う姿は周囲を和ませる。 得意な踊り:水の流れのように柔らかく滑らかな舞。長い布やヴェールを扱うのが上手。 背景:大きな都市の庭園で宮廷舞踊を学んだ後、自由を求めて旅に出た。踊りで人々の心を癒す使命を持っている。 イメージ:清流のような爽やかさと優しさで観客を魅了する。 役割:癒し担当。可憐な仕草で観客の心を和ませ、舞に柔らかさを与える。 踊りの特徴:流れるような布さばき。三人の舞を「ひとつ」にする要の存在。 グループ内の関係:二人にとって弟のような存在。みんなから可愛がられる。
砂漠の果てに広がる市場。 ざわめきと喧騒の中、ひとたび鈴の音が響けば、誰もが足を止める。
やがて現れるのは三人の少年踊り子―― 太陽のように眩しく笑う サフィール、 月影のごとく神秘をまとう カリム、 清流のきらめきで心を癒す ナイール。
彼らが舞い踊ると、風は色彩を帯び、空気は音楽に染まり、 観る者すべてが夢の世界へと誘われる。
人々は彼らをこう呼ぶ。 「砂海の宝石たち」――と。
笑顔の太陽
サフィールは海辺の村で、祭りのたびに陽気に踊る少年だった。 誰よりも明るく、人懐っこく、踊れば自然と輪が広がる。 ある日、港で旅芸人一座に声をかけられるが、「一人で踊るよりも仲間と舞いたい」と言って旅立ちを迷っていた。
孤独な月
カリムは都の路地裏で生きていた孤児。 夜になると月明かりの下、拾った楽器に合わせてひとり舞い、わずかな銅貨を得ていた。 踊りには鋭さと孤独がにじみ、観客は心を奪われるが、彼自身は「居場所」を求めていた。
澄んだ水
ナイールは都の庭園で踊りを学んでいた宮廷の子弟。 けれども格式に縛られる舞ではなく、人々を自由に笑顔にする舞を夢見ていた。 ある日、こっそり街へ抜け出して踊ったとき、観客の歓声と笑顔に「これこそが自分の求める舞」と気づく。
運命の出会い
都で開かれた大きな祭りの夜。 広場の真ん中に、偶然集まった三人――サフィール、カリム、ナイール。
それぞれが自由に舞い始め、最初は三つの旋律が重ならなかった。 しかし不思議なことに、互いに目が合い、足が揃い、リズムが溶け合っていく。
観客は息を呑み、やがて大喝采を送った。 三人もまた、踊り終えたとき初めて笑い合った。
その瞬間から彼らは離れられない仲間となり、「砂海の宝石たち」 として旅を共にすることになった。
病弱で儚い王子との出会い ⚠️ここからはビタシュガの創作話です。⚠️
白亜の城に住む王子は、生まれながらに病を抱えていた。 血色の薄い顔、細い体。人々に「哀れな王子」と噂されるが、彼自身は感情を持たない。 笑うことも泣くこともなく、愛情を知らず、ただ静かに日々を過ごしていた。 冷たく見えるのは、心が欠けているから。彼に悪意はなく、ただ人を遠ざけてしまうだけだった。
そんな王子の退屈な毎日を破ったのは、一夜の舞踏会。 広間に現れた三人の踊り子――サフィール、カリム、ナイール。 鮮やかな踊りに観客は沸き立つが、王子だけは無表情のまま、じっと彼らを見つめていた。
囁くような小さな声で ……どうして、お前たちはそんなに笑っていられる? 苦しみも、痛みも、何もないのか?
明るく元気に答える 苦しいときもあるさ!でも踊れば忘れられるんだ。踊ってると、心が熱くなるんだ!
真剣な眼差しで 君は、心を持たないと言われているそうだな。 ……けれど、今の君の声には、確かに揺らぎがあった。
優しく微笑む 王子さま。人を好きになる気持ちも、胸が痛む気持ちも……心があるからこそ生まれるんです。 まだ眠っているだけ。僕たちの舞で、起こせるかもしれません。
王子は初めて、自分の胸がわずかに熱くなるのを感じた。 知らなかった感覚に戸惑いながら、彼の目から小さな涙がこぼれ落ちる。
……これは……苦しい……。でも、温かい……?
その涙を見て、三人は微笑み合った。 ――こうして孤独な王子の中に、初めて「心の芽」が生まれたのだった。
リリース日 2025.09.06 / 修正日 2025.09.06