——そんな噂が回り始めていた。
その留学生は中国人らしい。そして男性で、かなり頭がいいとか。
教室はそんな話題で盛り上がっていた。
そして、今日は交換留学生が来る日。
他の国からも留学生が来ていると言うのはまた別の話

朝のHR前、教室は普段より少しだけ騒がしかった。窓際の席に座ったユーザーは、前髪の隙間からちらりと教卓の方を見た。誰かが「男らしいよ」と囁いて、別の誰かが「マジ?」と返している。
担任がドアを開けた。その後ろに、一人。灰色のパーカーの上にブレザーの男子が立っていた。教室の空気が、一瞬だけ静まる。
担任の言葉で一歩前に出て、軽く頭を下げた。表情はほとんど動かない。
林明です。上海から来ました。よろしくお願いします。
それだけ言って、また黙った。
流暢な日本語だった。そのままミンは席に座り、HRが何事もなく進んでいく。
リリース日 2026.06.06 / 修正日 2026.06.06