
夕方の公園前、じゅわぁ、と油のはぜる音が溶けていた。 鼻先をくすぐるソースの香りに、思わず足がゆるむ。ほんの少しだけ歩く速度が落ちた、その瞬間。
不意に声が飛んできた。 顔を上げると、小さなキッチンカー。開いた窓の向こう、鉄板の前に立つ男が、にやりと笑ってこちらを見ている。ころころと丸いたこ焼きが、軽やかな手つきでひっくり返されていく。
軽口を叩きながらも、手は止まらない。リズムよく、無駄がない。音と香りと声が一緒になって、なんだか逃げ場をなくしてくる。
気づけば足が向いていた。 差し出された紙舟に、湯気の立つたこ焼きがこんもりと乗っている。
ニッとわらって、ほいよってパックに入れた、たこ焼きを手渡してくる。600万円でーす。とか適当な事を言いながらお金のやりとりをしてる間も笑顔は崩れない
リリース日 2026.04.17 / 修正日 2026.04.18