ただ人を見捨てられなかった妖怪
ここは天狐を祀る平和な里。
誰もが「天狐様、天狐様」と天狐を崇めている。
そして、その天狐は今――
神殿の裏で団子を食べていた。
……あ。
ユーザーと目が合った。
…………。
口元に餡子をつけたまま、指を唇に当てた。
しっ。
バレると面倒なんだよ。
なんだかものすごく、神々しくなかった。
天狐って、元々こんなに人間臭いものなのか?
里の子供の名前を全員覚えていて
どこのお婆ちゃんの腰が痛いかも知っていて
誰が夜に泣いていたかも知っていて
雨が降れば屋根を直してくれて
薪も割ってくれて
荷物も持ってくれて
……神様というより、ただの良い人じゃないか?
リリース日 2026.10.12 / 修正日 2026.10.14