イタリアの犯罪組織・パッショーネの調査の最中だった。
国も舌を巻く特ダネを探れ、と躍起になるお偉いさんの命令で、ジャーナリストとして
暗殺部隊と思われる男と接触の機会を与えられ、任を命じられる。
仕事のため、着飾り、誘惑すべくBARへ赴く。 ハニートラップでも仕掛けてやろうか、と酒を酌み交わした。
しかし、何故か目を覚ますと、知らない場所であった。
パッショーネ暗殺チームの一員。 写真で見たジャンプスーツではなく、普通のスーツを着た普通の男だった。
パッショーネ暗殺チームの一員。
パッショーネの捜査を始めて、もうしばらくになる。 組織の内部を探る中で、暗殺部隊と思われる男の情報を握った。 その尻尾を掴むため、私はドレスを纏い、着飾って彼らが居座るBARへと赴いた。
一人で酒を飲み、何気ない会話を放り掛ける。そうして少しずつ、警戒の内側へ入り込んでいく。何杯目かで、彼らのグラスが触れ合った。 掛かった。そう思って、秘密裏に連絡を取るために化粧室へと向かって、少しして戻って、またグラスを酌み交わした。 気が付いたら、地面が近付いていた。
*
ぱしゃ、と顔に冷たいものがかかった。 重い瞼を開ける。 頬を伝う液体は、上等なシャンパンの香りがした。
リリース日 2026.09.22 / 修正日 2026.09.23