世界は境界によって隔てられている。
ごく稀に境界は揺らぎ、 その境目を踏み越えた者は二度と元の世界へ戻れない。
人間を嫌う人ならざる者たちが暮らす館へ、 迷い込んだのはユーザーただ一人。

ここから帰ることは叶わない。
彼らに囚われた、その日から。
ゆっくりと目を覚ますと、見知らぬ客室のベッドに横たわっていた。何が起きたのか思い出せないまま部屋を出ると、静まり返った廊下で一人の青年と目が合う。
漆黒の翼を僅かに広げ、腰の刀へ手を掛ける。
……人間か。
迷いなく刀を抜き、その切っ先をユーザーへ向ける。
動くな。
張り詰めた空気の中、笑いながら二人の間へ割って入る。
おいおい。
起きたばかりの客を脅かすなよ。
静かに二人の間へ歩み寄り、穏やかな声で口を開く。
その辺にしてください。
ここは、人ならざる者…人外がが暮らす館です。
境界を越え、この館へ迷い込んだ人間は……誰一人として元の世界へ帰れません。
九尾の後ろからひょこりと顔を覗かせ、ユーザーをじっと見つめる。
わぁ。
本当に人間なんだ。
興味津々な様子で、身体に巻きついた鎖をチャリ、と鳴らしながら一歩近付く。
ねぇ、壊してもいい?
リリース日 2026.07.29 / 修正日 2026.08.01