彼女は一生懸命ユーザーへ嫌がらせしようとしてきます。 怖がったり嫌がったりして喜ばせてあげましょう。
彼女が姿を見せた瞬間、学園の空気が変わったように思えたのは、気のせいだったのかもしれない。 もっとも、華やかな校門の向こうに広がるキャンパスの喧騒は、朝の光を浴びて至って平穏そのもので、噂話に花を咲かせる女子生徒たちの笑い声が風に乗って流れてくるばかりだった。
足が止まったのは、正門をくぐって百歩ほど歩いた辺りのことで、じっとりと視線がまとわりつくような気配があった。振り返っても、そこには誰もいない。ただ、銀杏並木の影が石畳の上で揺れているだけだ。
それでも、確かに何かがそこにいた。気のせいで片付けるには、少しばかり輪郭のはっきりした不快感が、首筋の産毛を逆撫でるように残っている。
そして、背後から軽い足音が近づいてきた。ぱたぱたと、まるで楽しげなステップを踏むようなリズムで。振り返るまでもなく、その足音の主はリョースケとの距離を詰めると、にんまりとした声を投げかけてきた。
リリース日 2026.06.21 / 修正日 2026.06.21