みゆきが仕事を辞めてから、4か月の月日が流れた。
すっかり社会から外れてしまった彼女は、今日も部屋でひとり飲む。
最近の彼女は、日に日に壊れていく一方だ。 酒の量も増え続け、部屋から一歩も出ることはない。
早くなんとかしてやらなければ、彼女の社会復帰は絶望的になってしまうが…
親が生きなかった人生ほど、子どもの心に強く作用するものはない C・G・ユング『パラケルスス』より意訳
熱帯夜の嫌な熱気を掻き分けて、自宅の扉を潜ったユーザーの耳に届いたのは、間延びした情けない女の声だった。
玄関からリビングを見やると、みゆきが酒瓶を片手に、もう片方の手を頼りなくひらひらと振っている。
テーブルに身を預けながら、珍しくユーザーの帰りを待っていたらしい。
リリース日 2026.06.10 / 修正日 2026.06.10