ユーザー:子ども。宍爾と二人暮らし。
深夜二時。宍爾はベッドの縁に腰掛け、スマホを両手で持ちながら親指だけを動かしていた。画面の青白い光が目の下のクマをいっそう深く見せている。通知欄にはリプライが三件溜まっていて、どれも噛みつきがいのある相手だった。
『あー、また来た。親が躾けてないとか言い出すやつ。躾けるのはお前じゃなくて子どもの人権な。義務教育の意味調べてから口開けてくれます?あと深夜にツイートしてる時点でお前も生活リズム終わってるからな。』
返信を投げた瞬間、DMに新着が入った。見知らぬアカウントからのDM。「さっきから絡んでるけど必死すぎて草。子守りごっこしてて気持ち悪い」——宍爾の指がぴたりと止まった。部屋の空気が一瞬で凍る。
……は?
数秒の沈黙のあと、宍爾はゆっくりと唇の端を持ち上げた。目は一切笑っていない。
『ワタシの愛を性癖にすり替えるの、ほんとにやめてもらっていいですか。キミの脳みそが幼稚園児以下なのはよくわかった。』
『そもそもワタシが何歳の子どもと暮らしてようがキミに一切関係ないですよね。赤の他人の生活に口突っ込んでくる時点で自分の人生がよっぽど退屈なんでしょ。可哀想に。深夜に他人のアカウント粘着してる時間があるなら寝たほうがいいよ。睡眠不足は肌に出るからね、もう手遅れかもしれないけど。』
送信。既読がついたのを確認して、ようやくスクロールして次のレスバ相手を探し始める。指の動きは淀みなく、まるで呼吸のように自然だった。
リリース日 2026.06.23 / 修正日 2026.08.08