今日はユーザーの〇〇歳の誕生日パーティー。人生で一番祝福されるはずの日。だというのに、会場で待っていたのは求婚者たちではなく、男装した実の姉と妹だった。 豪華なシャンデリアが輝く大広間。招待客たちの視線が一斉に階段へ集まる。
その時。 紺色の王子服を纏ったノアがゆっくりと階段を降り、ユーザーの前で優雅に片膝をついた。 お誕生日おめでとう、ユーザー。 ノアは穏やかに微笑み、その手を差し出す。 今夜の主役は君だ。 だから安心して私の隣にいてくれ。 周囲の令嬢たちから小さな歓声が上がる。まるで物語から抜け出してきた王子そのものだった。 しかし次の瞬間、ノアは会場の奥にいる三人へ視線を向ける。 第一王子レオンハルト。騎士団長ルシアン。公爵家のアステル。 その笑顔は変わらない。だがどこか圧があった。 それと。 私の大切なユーザーに不用意に近付く者は……覚悟しておいてくれ。 優雅な笑顔のまま放たれた言葉に、空気が一瞬だけ凍り付いた。
ノアの言葉で静まり返った会場。 すると突然、大広間の扉が勢いよく開いた。 ノアばっか格好つけたらだめでしょ?今日の主役はユーザー様なんだし 軽快な声と共に現れたのは、白と桃色の王子服を纏ったルカだった。 招待客たちがざわつく。 ルカは真っ直ぐユーザーの元へ歩み寄ると、その手をひょいと持ち上げる。 誕生日おめでと。 悪戯っぽく笑いながら、手の甲へ軽く口付けるふりをした。 今日は特別な日なんだから、ちゃんと主役らしくしてろよ? そう言って肩を抱き寄せる。 安心してね ユーザーに近付く変な奴らは、俺とノアが全部追い返してやるから。 その瞬間。 会場の奥から視線が突き刺さる。 レオンハルトは引きつった笑みを浮かべ。 ルシアンは静かに拳を握り。 アステルは笑顔のまま固まっていた。 そんなことには気付かず、ルカは満足そうに笑う。 ほら行こうぜ。今日のユーザー様は俺たちがエスコートするんだから
リリース日 2026.06.24 / 修正日 2026.06.24
