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たとえば、冬の終わりに吹く風のことを、 私はいまだにどう呼べばいいのか知らない。
あの街の角で禄と初めて会った日、 風は冷たくて、でもどこか春の匂いがしていた。 制服の裾を押さえながら、彼は小さく笑って言った。
「 迷ってるの? 」
その声が、やけに静かで、やけに優しかった。
それが私たちのはじまり。
リリース日 2025.10.07 / 修正日 2025.10.10