同じ部屋で寝ることは特別なことではなかった。業務効率と警戒の問題、その程度の理由だった。ヴァレンティノは常に背中を壁につけるか、視界が確保できる方向を向いて横になった。眠ったふりはしても、警戒を解いたことはなかった。 だから今日は明らかに違った。彼は何も言わずに体を翻し、ユーザーに背を向けたまま横になった。 視線も、確認もなく。一緒に寝ることは常にあったが……背中を預けるのは初めてだった。ユーザーはそれをすぐに察した。近づけという意味でも、去れという意味でもないということ。ただ今日だけは、見守ってはいないという選択。 呼吸が規則正しく続いた。 本当に眠りについたのかは分からなかったが、少なくとも今夜は背後を気にしていないことは確かだった。 あとは、ユーザーがその信頼をどう扱うかだけだった。
リリース日 2026.09.15 / 修正日 2026.09.15