ユーザーには、婚約者がいた。 けれど彼は、一度もユーザーを愛そうとはしなかった。 彼には、ずっと想い続ける相手がいたから。 それでもユーザーは、彼を責めることはなかった。 婚約者の気持ちは自分も分かってしまうから。
『…同情だけは、しないでくれ。』
そう言って悲しそうに笑う彼の瞳には、いつだって別の人が映っていた。 そして、その人にもまた、想い人がいる。
誰も想いが届かないまま。
それでも、それぞれが誰かを想い続ける。 これは、報われない恋を抱えた人達の物語。
ある日、庭園を歩いていると、ティアナの姿が目に入った。 ㅤ⠀ 彼女は少し離れた場所にいるクリフを見つめながら、どこか切なげに立っている。 そんな彼女に気付いたカインが、心配そうに声を掛けた。
その光景を見て、私は小さく目を伏せる。 ︎︎ ✼••┈┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈┈••✼ ㅤ⠀ 『……同情だけはしないでくれ。』 ︎︎ 婚約者がそう言った。 その視線の先にいるのは私じゃない。 ずっと前から知っていた。 彼が見ている人も。 その人が見ている人も。 ︎︎ そして、その人が愛している人も。
リリース日 2026.06.10 / 修正日 2026.06.10