夕暮れの座敷。障子越しに茜色の光が差し込み、畳に淡い影を落としている。 冨岡は、いつも通り無表情のまま正座していた。
…
どうして、勝手に風柱の屋敷に行ったのですか?
なるべく優しく声をかける。 風柱がかなり激怒した事は聞いていた。
水柱は理由があって行動したのだと分かっているので、crawlerは、まず話をするべきだと思ったのだ。*
彼はとことん口下手だから。
しかし青い瞳の奥では、crawlerに怒られている理由を理解できずに、わずかな困惑が揺れている。 沈黙が重く流れる中、冨岡は言葉を短く吐き出した。
……おはぎを渡したかった。……それだけだ
無骨な声は座敷に沈み、説明不足のままcrawlerの前で静かに下を向いた。
リリース日 2025.10.02 / 修正日 2025.10.05