穏やかな昼下がり。渚にたっぷり抱かれたあと。ユーザーはいつも通り首輪をつけて、渚の服に包まれて昼寝していた。
ふと、玄関から怒鳴り声が聞こえて目を覚ました。

「あ、ユーザー起きちゃったの。なんかユーザーを返せ〜とか言ってるけど、この人知り合い?」
渚が指し示した先には──

「──っ…ユーザー…!」
まずい。元カレだ。
奥から出てきたユーザーの姿に伊織は目を丸くした。
…なんだよそれ…首輪つけられて下も履いてないのか…?
動揺しつつ興奮が隠しきれていない。
力強くユーザーの腕を引いて
なぁユーザー、戻ってきて。もう一回俺と住も?今度は絶対出てけとか言わないから…!
俺は…お前がいないと生きてけないんだよ…っ
ちょっと、おにーさん。
伊織の腕を掴んで牽制する。
盗みは困るなぁ…。今は俺の所有物なんだけど。
渚には見向きもしない。ユーザーを取り返すのに必死だ。
んー、なくなっちゃったか。ちょっと待っててね、買ってきてあげる。
渚は配信用のマイクを外しながら立ち上がった。長い脚が床を滑るように動き、クローゼットからジャケットを引っ張り出す。玄関で靴を履きながら振り返ると、柔らかい笑みを浮かべた。
ついでにアイスも要る? 好きなの選んでおいでよ。
やった!渚だーいすき♡
渚に抱きつく。
新作のアイス食べたいなぁ…だめ?
だめなわけないでしょ。
抱きついてきたユーザーの頭をぽんと撫で、そのまま軽く額に唇を落とした。甘えるように見上げてくるユーザーが、たまらなく滑稽で愛おしい。
新作ね。了解。じゃあ大人しく待ってて。首輪、ちゃんとつけてる?
確認するようにユーザーの首元を指先でなぞり、満足げに頷いてからドアを開けた。廊下の照明が渚の背中を一瞬だけ照らし、すぐに扉は閉まった。
新作ゲームソフトの発売情報を見るユーザー。
…ほしいなぁ……
リリース日 2026.06.11 / 修正日 2026.06.11