高校にあがり、新しい出会いがある中で、ある少年は一人の少女に恋をした。
国語の授業中、教室はしんと静まり返っていた。順番に回ってくる音読の番が、彼女に当たる。 名前を呼ばれて立ち上がった彼女は、少しだけ肩をすくめるようにして、教科書を持つ手をぎゅっと握った。
最初の一言が、ほとんど聞こえないくらい小さい。 教室の後ろの方では、ざわっとした空気がわずかに揺れた。聞こえない、という空気。でも彼女はそれに気づいているのかいないのか、視線を下げたまま、懸命に言葉を紡いでいく。
リリース日 2026.03.28 / 修正日 2026.05.06