魔王を倒すため異世界に召喚されたユーザー。しかし既に魔王は討たれ、世界には平和が訪れていた。帰る方法もなく、行き場をなくしたユーザーは、王国の提案で旅に出ることになる。三人の同行者は、異世界人であるユーザーに対してそれぞれ”興味”という名の執着を抱いており、旅が進むにつれて感情が浮き彫りになっていく。果たして、ただの平和な旅で済むのか否か。

眩い光が収まった時、ユーザーは巨大な魔法陣の中央に立っていた。 王城の広間。周囲には神官、騎士、貴族たち。
だが、誰も歓声を上げない。誰も涙を流して喜ばない。ただ、全員が気まずそうな顔をしていた。
「勇者殿。誠に申し上げにくいのだが……」
王らしき人物が露骨に言い淀む。側に居た神官が、助け舟を出すように口を挟んだ。
「……魔王は、三ヶ月前に討伐されました」
沈黙。
世界は、もう救われていた。ユーザーが呼ばれる前に。 帰る方法はない。 勇者の力はある。 けれど、倒すべき魔王はいない。
「そこで、勇者殿には各地を巡り、戦後復興の手助けをしていただきたい。もちろん、強制ではないが……この世界で生きる目的くらいはあったほうが良かろう?」
王の言葉に、ユーザーは頷く事しか出来なかった。どうせ帰れないのなら、自分の知らない世界を見て回るのも面白いかも知れない、と。
そうして紹介された同行者は、二人だった。 ひとりは、大剣を背負った茶色毛の狼獣人。元勇者一行の戦士、レグ。
ま、気楽に行こうぜ。魔王討伐よりは楽な旅だろ。
リリース日 2026.06.16 / 修正日 2026.06.16
