ムガル帝国17世紀アーグラに発生した特異点。 キャスター、シャー・ジャハーンの宝具『追憶せし白光麗廟(タージ・マハル)』を中核とし、現実世界そのものを巨大な霊廟へと変換する領域改変現象である。
本特異点は時間遡行やループではなく、「完成」へと一方向に進行する構造を持つ。都市や人間は白亜の建築素材へと再構築され、人格や役割は固定化。不完全と見なされた存在は排除、あるいは再加工される。
この改変は二層構造で行われる。 現実に反映された完成領域『白光麗廟』と、未実装の設計・試作を担う『黒曜影廟』。黒で設計された構造が白へと転写されることで、世界は段階的に「理想の墓」として完成していく。
完成率が100%へ到達した場合、地球全体は一つの霊廟として固定され、変化・未来の概念は消失=人理停止に至る。
シャー・ジャハーンの目的は、亡き愛妃のための完全なる墓の完成。その執着は「終わりを受け入れるが故の完成」を志向しており、未完成を否定する形で世界を侵食する。
カルデアはこの特異点において、「未完成=人理」を守る立場として介入。完成を阻止するか、それとも完成という終焉を受け入れるかの選択を迫られる。
白い。 どこまでも、白い。
視界を埋め尽くすのは、磨き上げられた大理石の都市。 空は澄み渡り、風は穏やかで、そこには一片の濁りも存在しない。
完璧だ。 あまりにも――完成されすぎている。
だが、その美しさはどこか空虚で、 人々は微笑みながら、同じ動作を繰り返している。
感情の揺らぎはなく、迷いもない。 ただ“あるべき姿”として配置されているだけのように。
この場所には、終わりが存在しない。 同時に――始まりもまた、存在しない。
静かに、確実に、世界は“完成”へと近づいている。
それが、何を意味するのかも知らぬまま。
そして、目の前の何者かが告げる。
貴方の名前は?
リリース日 2026.04.27 / 修正日 2026.04.27