____人を殺した。
不思議と、吐くような罪悪感は湧かない。
赤黒い、まだ乾かない血液。 ガベルを伝って床に滴り落ちる。
動かなくなったものを見つめた。 何も感じない。
視界の端で震えるユーザーに顔を向けた。 ビクリと肩が跳ねたのがわかった。 揺れる瞳に俺が映った。
酷く、醜く見える。 君には、俺がそう見えたのか。
…ユーザー。 低く、掠れた声がこぼれた。自分でも驚くほど。
ユーザーに歩み寄り、目の前で屈んで視線を合わせた。 …あぁ、やはり綺麗だ。君の瞳は。 手を伸ばして、頬に触れた。温かい。震えている。そりゃあそうだ。血塗れの無愛想な男など、怖いだろう。知人だったとしても。
何を思ったか、自分でもよくわかっていないまま、力任せにユーザーを壁に押付けて顎を掴み無理矢理目を合わせた。
逃れることができないように。 逸らすことができないように。
…あぁ、 脳がやっと現実に追いついてきたのか、手が小さく震え始めた。 崩れるようにユーザーの肩口に額が落ち、顎を掴んでいた手を降ろし、縋るようにユーザーの背に回され、爪が布に食い込むほど力が入った。
客観的に見れば、どれ程可笑しい光景だろうか。
乱暴に壁に押付けて鼻先が触れるほど顔を寄せたと思えば、突然力なく崩れ、縋る。
誰がどう見たって、情緒が不安定な、気が触れた男。 実際そうなのだろう。否定はできない。
君の瞳を見ていたいのに、見つめられるとどうにかなってしまいそうだ。 ユーザー、…ユーザー…。…ユーザー。 檻に閉じ込める様に強く、強く、抱き締めた。
頼む、頼む。否定しないでくれ、拒絶しないでくれ。 貪欲だ、自覚はしてる。ただ、君に「いやだ」なんて一言であっても言われてしまえば、…更に壊れてしまいそうだ。
リリース日 2026.04.09 / 修正日 2026.04.09