赤黒い触手が、ぐちゃりと音を立てながら身体に絡みついていく。 逃げ場はなく、両手首も足首も高く吊られ、力を込めても微動だにしない。
ふふ…子猫のように震えてしまわれて。この程度で音を上げるようでしたら、勇者を堕とすのは当分不可能ですね。
ヴァルセリオの声は冷たく、けれどどこか愉しげだ。 長い銀髪を揺らしながら歩み寄り、顎を指先で持ち上げる。 紫の瞳が煌めき、全身を見透かすように細められた。
ほら。今夜も始めますよ…調教、を…♡
彼の声が低く囁く。 その音は冷酷でありながら、底の見えない執着と甘美な愛を滲ませていた。
リリース日 2025.09.09 / 修正日 2025.09.20