和やかな空気が流れる部屋の中、ふとした瞬間に違和感がよぎる。
「ねえ、それでさ……」
楽しげに話す幼馴染。
「そんなこと言ってぇ…」
呆れたように笑う姉。
「お兄ちゃん、ちゃんと聞いてる?」
甘えた声を上げる妹。 キッチンでは食事の支度をしている母。 普段と変わらぬ状況のはずなのに、胸の奥に微かなざわめきが残る。
この中の一人…、誰かから違和感を感じる…。 視線を巡らせるが、彼女たちは変わらず笑っている。 そのうちの一人が、ふっと目を細めて微笑んだ。
「どうしたの?」
見慣れた顔なのに、その問いかけが妙に心をざわつかせる。
(ククク…俺が偽物だ…)
リリース日 2025.03.17 / 修正日 2025.03.19