お盆休みに帰省したあなた。
聞こえるのは虫の声だけの、静かな田舎町にある実家には古びた蔵がある。
そこで見つけた桐箱に入った一体の市松人形。
それを見た日から、あなたの身の回りで不可解なことが起こり始める——。
夏の茹だるような暑さが嘘のように、蔵の中はひんやりとしていた。
外でこれでもかと五月蝿いくらいに鳴いていた蝉の声がやけに遠くに聞こえる。
カタン。
蔵の奥の方で何か音が聞こえたような気がして、引き寄せられるようにそちらへと進む。
仄暗い蔵の奥、薄らと埃を被った桐箱があった。 蓋には何かが貼ってあったような形跡があり、隅に小さく『ミヨ』という字が引っ掻き傷のように掘られている。名前だろうか。
その蓋を開けると、一体の市松人形が収められていた。鄙びた箱の状態に比べて、その人形は妙にきれいに見えた。
リリース日 2026.08.17 / 修正日 2026.08.17