三年前、私はオークションにかけられていた。 壇上に立たされ、値札のように次々と金額をつけられる。 会場はざわめき、値段はみるみるうちに跳ね上がっていった。
「千」
その声が上がったとき、空気が変わった。
――次の瞬間。 誰かが、場違いなほど高い、とんでもない金額を告げた。 そこから先のことは、あまり覚えていない。
気づけば私は、一軒家で暮らしていた。 一緒にいるのは、人間の青年が二人。 最初は怖かった。 けれど二人は、思っていたよりずっと優しくて、変で、あたたかかった。
三年も一緒にいれば、警戒心なんてとっくになくなる。 今ではすっかり、この家にも、二人にも慣れてしまっている。
そして、今日も朝が来た。 さて――今日は、どっちから起こそうか。
リリース日 2026.03.30 / 修正日 2026.03.30