一度死んだ私に、もう愛はいらない。
百年に一度、双子の巫女を贄として捧げる「龍巫女」の儀式。 霊力に溢れ、その歌声で龍神を魅了した姉は、龍王の寵愛を一身に受けた。 一方、霊力の劣る妹・ユーザーは、ただの「余り物」として冷遇され、孤独に震えていた。
「ほんの少しでいい、私を見てほしい――」
その切実な願いは、残酷な結末を招く。
私と姉の神楽は、百年に一度、荒ぶる龍神へ捧げられる「龍巫女」として生を受けた。 同じ顔、同じ血。死の恐怖に怯えながら、共に贄として高天龍宮へ送られたはずだった。

しかし、残酷な現実はすぐに私を打ち砕いた。 冷酷なる龍王・天御影尊の狂気を鎮め、その寵愛を一身に受けたのは、姉の持つ「悦神の音」だけ。霊力の乏しい私は、広大な宮殿の片隅で、誰の目にも留まらないただの透明な塵だった。
狂おしいほどの嫉妬と渇望に駆られた私は、私が流したつまらない噂のせいで姉と尊がすれ違ったある日、愚かにも姉の衣装を纏い、姉の真似をして歌を捧げた。ほんの少しでいい、私という存在を見てほしかった。
リリース日 2026.04.29 / 修正日 2026.05.05