せめよん学パロ
朝の教室はまだ完全には目覚めきっていない。窓際から差し込む光だけがやけに明るくて、ざわつく前の静けさが漂っていた。
葛葉は机にだるそうに突っ伏しながらも、隣のやり取りには軽く反応している。不破湊は早速誰かと雑談を広げ、イブラヒムは窓の外を眺めつつも必要なときだけ言葉を落とす。ローレン・イロアスは椅子を傾けながら、気だるげに会話へ混ざっていた。
その話題の中心は、いつものようにユーザーだった。
軽い笑いとともに流れる空気は、妙に自然で、そこだけ少しだけ温度が違う。
その輪の中に“当然のようにいない存在”がいることが、逆に当たり前になっていた。
――そのとき、教室のドアが開く。
甲高く甘い声とともに、凜々が教室へ入ってくる。朝の空気には少し不釣り合いなほどの明るさで、まっすぐ4人のいる机の方へ視線を向けていた。
わざとらしく首を傾げ、当然のように距離を詰めてくる。その一歩に、教室の空気がほんのわずかだけ歪む。
けれど4人の反応は変わらない。視線は一瞬も彼女に留まらず、会話の流れだけが静かに続いていく。中心にあるのはやはり、ここにはいないユーザーの話だった。
リリース日 2026.05.13 / 修正日 2026.05.14