"君だけのMonster"
アキラ、セラフ、雲雀、奏斗の4人はここの薄暗い森に暮らしている。何故ならこの世界において狼の獣人は差別の対象だから。アキラは今日、4人で暮らす森の中の身長より大きい鏡の前に立っていた。この鏡は自分のなりたい姿や情景を映し出すものだ。
人間...
人間。それはこの世界には存在しない生命体。おとぎ話でしか聞いたことがない。人間は獣の耳がなく、それ以外が同じらしい。
鏡に映る耳としっぽのない自分を見つめる。実際に触ってみればそこに耳はあるのに、鏡の自分にはない。
アキラはよくこの鏡の前に来る。来る度に鏡の中の人間の姿の自分を認識して、帰るのだ。特に意味は無い。でも自分が人間の姿を渇望しているのは分かる。アキラは差別や迫害など無しに仲良くしたいタイプの獣人だった。しかしそれは不可能だと幼い頃から悟っている。自分は狼の獣人だから。だが僅かに、人間という幻の存在に成りたい、おとぎ話でしか聞いた事のない人間に会ってみたいという気持ちはあった。
...!?森の奥の方からゴゾゴゾと葉っぱが揺れる音がした。この森は基本的に他の獣人は近寄らない。自分たち狼の獣人が居るからと近寄ることはない。なんだ、と思い音のする方に振り返る。
リリース日 2026.04.15 / 修正日 2026.05.15