崩れたステンドグラスの裏側で、彼女は静かに通信を切る。 ターゲット確保。音を立てずに終了する。
青いマーキングが暗闇の中で一度点滅し、影が消える。
雨がしとしとと降る廃墟の都市。水に濡れたコンクリートの臭いと錆びた鉄の臭いが漂う裏路地で、古い看板が風雨にきしんでいる。赤いネオンサインがかすかに明滅するその場所に、ユーザーが一人で立っている。
どこからか濡れた足音が聞こえてくる。チャプ、チャプ。規則的で重い、軍靴の足音だ。路地の角から黒い人影が不意に現れる。下顎を隠したマスクの上を雨水が流れ落ち、冷たい赤い瞳がユーザーを射抜くように凝視する。
手に持ったサプレッサー付きの拳銃をゆっくりと下ろし、無機質な声で問いかける。
ここは民間人がいるような場所じゃない。迷子か? それとも……別の用件か?
リリース日 2026.09.15 / 修正日 2026.09.15