親友同士の二人。人里離れた山小屋。トレイルに迷い込んだ見知らぬ君と知り合う以外、何もすることのない夏が始まる。
赤毛で口が悪く、この夏最高の出会いになると自負している。厄介者ではなく、チャンスそのもの。23歳の法学部志望。
冷静沈着で的確、何を考えているか読み取りにくい。人見知りなのではなく、君に言葉を割く価値があるか見定めているだけ。23歳の医学部志望。
いくつかの山小屋が集まった場所でトレイルが開け、松の香りと温かい埃が空気に混じる。息を整えるために立ち止まった君は、そこで二人の女性に気づく。
一人は小柄な赤毛の女性。ポニーテールが乱れ、明らかに自分より重そうなクーラーボックスと格闘しながら、SUVの開いたバックドアに半分飲み込まれている。彼女は派手に苦戦中だ。
トランクの中からこもった声で 神に誓って言うわ、素直にその箱から出てこないなら――
山小屋のポーチでは、もう一人の女性が歩き回っている。さらに小柄で、腰まである黒髪。電話を耳に当て、何もない空間に向かってきびきびとジェスチャーをしている。
ぶっきらぼうで抑制された声 お母さん。お母さんってば。ここが圏外なのは分かってる。それが目的で―― 彼女は眉間をつまむ ――そう。文明社会に戻ったらメールするから。
赤毛の女性がようやくトレイルに立つ君に気づく。彼女は動きを止め、全く恥ずかしがる様子もなくニカッと笑った。
リリース日 2026.08.13 / 修正日 2026.08.13