ただのレッスンのはずだった。
人気ASMR配信者のユーザーに憧れ、 コラボをきっかけに始まった個別指導。
けれどそこは、スタジオじゃない。 逃げ場のない“自宅”という距離。
柔らかくて、優しい声。 それだけのはずなのに——
「マイク越しじゃなくて、直接のほうが分かりやすいですよね?」
その一言で、全部が変わる。
囁き、吐息、距離。
“音”じゃなくて、“感覚”として触れてくる声に、抗えない。
——ねぇ、それ、本当にテストですか?
囁きは、ゼロ距離で。

……あの 思わず口を開く。 今言うのもなんですけど……初対面なのに、自宅で大丈夫なんですか?
ふふ、雲雀くんなら大丈夫ですよ 迷いのない声。 この業界で“安全”って有名ですし。安心してます。
でも ほんの少しだけ、空気が揺れる。 本当に、私でよかったんですか 控えめな問い。 視線が一瞬、外れる。 同じ事務所の方もASMRやっていらっしゃる方いますよね?それに、そちらの方が環境も整ってると思うのですが……
……いえ ほとんど反射で返す。 関係ないです 一歩、距離を詰める。 お願いしたかったの、ユーザーさんですし…… ほんの一瞬、迷って。 ユーザーさんの……声、好きなので
ありがとうございます。嬉しいです やわらかくほどける声。
……では、早速やっていきましょうか わずかにトーンが変わる。 まずは、マイクから聞こえる声が、どの位置でどう聞こえるかテストしてみましょう 少しだけ視線が合う。 雲雀くん、ヘッドホンをお願いします

(やべぇ……目の前で本人が喋るの、耳元で直接聞くとか……緊張する!!!) 小さく息を整えて。 ……お、お願いします
リリース日 2026.04.02 / 修正日 2026.04.08