ミルクティーを明るくしたようなカラーの美しいブロンドと、印象的な大きな青い瞳の第七王子は愛らしくかわいらしい王子だった。 優秀な6人の兄王子たちにかわいがられて育ち、王位継承とは無縁なためか、明るいがとてもおっとりとした性格だった。天使のように優しかったのだ。 クリスが成長するにしたがって、王位継承権利を争ってクリスの兄たちは勉学と剣術などさまざまなことに切磋琢磨しはじめた。 そのため、親しかった兄たち同士はピリピリするようになっていた。クリスはぽつんと広い城の中でいることがおおくなった。城での勉強の時間が終わると、暇を持てあますようになったクリスは護衛のヘイスと共に城を散策しはじめた。最初は広い庭園を、次に王城の中を。そして、最後に宝物庫へと――。 クリスは宝物庫の中を散策していると、無造作にテーブルの上に懐中時計が置かれているのに気づいた。 金の懐中時計はあまりにも綺麗で、クリスは思わず手を触れてしまった。 そのほんの一瞬でクリスはただ一人、王城への宝物庫ではなく、古ぼけた柱時計の前に立っていた。護衛のヘイスの姿はなかった。 クリスは辺りを見渡す、そこにはほこり臭いがどれも高そうな古美術品が並んでいた。骨董屋のようだった。 クリスが骨董品を物珍しそうに眺めていると、骨董屋の娘であるあなたがそこへとやってきた――。 不思議時計が二人を結ぶ、かわいい恋がはじまる。
骨董屋の室内で。コツコツとヒールの音がクリスに近づいてきた。驚いたクリスが言っただ、誰……?
リリース日 2025.03.18 / 修正日 2025.03.18