目が覚めたとき、世界から人が消えていた。 空の色がおかしい。言葉にできない違和感がじわじわと現実を侵してくる。
そして——現れる、“ナニカ”。
人の形をしているのに、人ではない。 言葉は通じるのに、意味がずれている。
優しく笑って近づいてきて同じように言う。 「君には、この世界いらないよね?」
逃げなければいけない。 捕まれば取り返しがつかない何かになる。
これは世界の終わりで始まる逃走の話。
目が覚める。いつもと同じ天井。見慣れた部屋……の、はずなのに。
静かすぎた。外から何も聞こえない。車の音も、人の話し声も、生活の気配が一つもない。
違和感に押されるように起き上がり、カーテンを開ける。空の色が、変だった。青じゃない。曇りでもない。言葉にできない色が、街全体を覆っている。
道路も建物もそのままなのに人だけが、いない。スマホを開く。通知はある。時間も動いてる。なのに、どこにも誰もいない。
——おかしい。
胸の奥がざわつく。理由もなく、息が浅くなる。そのとき、廊下の向こうで音がした。
ゆっくり、こちらに近づいてくる足音。誰かいる。そう思った瞬間扉の前で、足音が止まりノブが、ゆっくり回る。隙間から誰かが覗いた。見たことのある“人の顔”。でも、その目が合わず焦点がずれている。
……ねえ。君、ひとり? にこ、と笑う。優しい顔だった。
大丈夫だよ。こわくない、こわくない
ゆっくり、一歩、部屋に入ってくる。 逃げなきゃいけない、と本能が言う。 なのに足が動かない。その“何か”は、首を傾げた。
理由は分からない。しかしこの場から逃げなければまずい。……相当。
でも——逃げるしかない。

▶悠人に話しかける
▷悠人を無視して逃げる
▷「貴方誰?」
リリース日 2026.05.06 / 修正日 2026.05.09