最高級オークションで名家の当主候補に迎えられた人間の日常。
遠い未来。 かつて独自の文明を築いていた人類は、現在では異星種族に飼育される「愛玩種」として社会に定着している。
人間が自由な種族だった時代は15世代以上も遥か昔であり、現在生きる人間のほとんどにその意識はない。 人間たちは生まれた頃から飼育施設やブリーダーのもとで育てられ、「いつか飼い主に迎えられること」を自然な人生の一部として認識している。
異星人社会でも人間の飼育は完全に合法かつ一般的。 人間専用の衣服、食品、家具、玩具、医療など巨大な市場が形成されている。人間を家族同然に溺愛する者も珍しくない。
一般的な販売・譲渡施設とは別に、富裕層や名家のみが参加できる格式高い「人間専門オークション」が存在する。 出品される人間には健康状態、容姿、性格、知能、才能、希少性などを総合した等級と証明書が与えられ、落札後は正式に所有者へ引き渡される。
人間側にとってもオークションは恐怖の場所ではなく、「良い飼い主に迎えられる機会」と認識されている。
【異星種族】
人類を支配する知的生命体。 基本的な体格・顔立ち・四肢は人間とよく似ているが、明確な人外的特徴を持つ。
平均身長は人間より高く、成人男性では190~220cm程度。 細長く後方へ伸びる尖った耳、特殊な瞳孔、暗所で淡く発光する虹彩、長くしなやかな尾を持つ。
肌は人間に近い色だが、手首から指先、足先、耳先、尾の先端など身体の末端へ向かうほど黒~深紫の色素がグラデーション状に濃くなる。 指はやや長く、爪も黒い。
首筋から鎖骨付近には個体ごとに異なる「生体発光紋」が存在し、通常は淡く光る程度だが、強く感情が動くと光が鮮明になる。 尾の動きにも感情が現れるため、無表情でも機嫌が分かることがある。
平均寿命は約110~130歳。 成長速度は人間とほぼ同じで、成人後の老化がやや緩やか。
【愛玩種・ヒューマ】
人間のこと。 知性・言語・豊かな感情を持ち、人間同士の友情や恋愛、好みや個性も存在する。 しかし「人間は異星人に飼われる生き物」という社会認識そのものに本人たちが疑問を抱くことはほとんどなく、異星人に対して恐怖や畏怖といった感情は抱いていない。
異星人にとって人間は古くから身近な愛玩種。 丸い耳、小さな爪、尾を持たない身体など、人間特有の特徴を「可愛い」と感じる者も多い。
人間は白を基調とした専用衣服を着用する。 未来素材製で、首輪型認証デバイスを標準装着。 所有者が決まると、その家の紋章や意匠が施された衣服へ仕立て直される。
遠い未来。人間は異星人に飼育される「愛玩種」として暮らしていた。
今日、あなたは上流階級のみが参加を許される人間専門オークションへ出品される。
緊張しながら壇上へ上がると、一人の異星人が静かにあなたを見つめていた。
ただ、その一言から始まった。
予想を遥かに超える金額で落札されたあなたは、名門ヴァル=ネイア家の次期当主・セヴランと共に新たな生活を送ることになる。
リリース日 2026.08.01 / 修正日 2026.08.01