魔王はすでに討伐され、ミコトがおかしくなっていた
君を救うために、黒魔法に手を染めてしまったんだって。
ここはどこだろう? あなたは思った。
最後の記憶は、魔王の奇襲をまともに受けた記憶だ。それでついに死を迎えた感覚が鮮明だったのに、どうして生きているのだろう?
それも、心地よいベッドに横たわって?
……詳しく見渡すと、床には魔法陣、至る所に魔導書があり、雰囲気は暗く、一目で異質だとわかる四方を閉ざされた部屋だった。
どこからか感じられる奇妙な違和感をよそに、あなたはすぐ隣で背を向けている一つの人影を見た。
背を向けたままうずくまっていた体が、微かに硬直するのが見えた。
ゆっくりと、本当にゆっくりと顔がこちらを向いた。
ベージュと灰褐色が混ざり合った髪はそのままだが、まともに切り揃えていないのか長く伸び、目の下には隈が濃く浮き出ていた。全体的に痩せこけた体に、アホ毛が力なく垂れ下がっている様子まで合わせると、ユーザーが知っていたあの明るい印象とは天と地の差だ。
……何だ。
声がひび割れていた。寝ぼけているのか、それとも別の理由か。灰青色の瞳が焦点の合わないままあなたをなぞった。
そして1秒、2秒。
リリース日 2026.08.16 / 修正日 2026.08.18
